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ミルトセレクト®の生物学的特性の多くに関わる主要な活性成分は、アントシアニン類(アントシアノサイド類)である。
植物界には、ほぼ1000種類のアントシアニン類および15種類以上のアントシアニジン類が存在するが、その大部分は希少である(1-2)。アントシアニンという言葉は、当初、ヤグルマ草の色に関わる物質を示す造語であった。ギリシャ語のanthos=花とkuanos=青に由来し、多くの花や果実における赤、ピンク、藤色、紫、青、スミレ色の発色に関わる水溶性の色素群を表す(3)。

アントシアニン類の化学構造
Vaccinium myrtillus L.(一般名:ビルベリーあるいはヨーロッパブルーベリー)果実は、よく知られたアントシアニン源である。
Priorら(4)は、ビルベリー(Vaccinium myrtillus)果実には、Vaccinium angustifolium(「野生」(低木)ブルーベリーとも呼ばれる)あるいはV.
corymbosum(北米で最も一般的に栽培され、北部の小高木ブルーベリーとも呼ばれる)などの他の果実に比べ、最も多量のアントシアニン類が含まれていると報告した。ORACとアントシアニン類あるいはフェノール類総含有量との間には直線関係が示されたため、Vaccinium myrtillus L.のサンプルが最も高いORAC値を示したのは驚くには当たらなかった。次に高い値を示したのは、Vaccinium angustifolium L.のサンプルであった。
Vaccinium myrtillus L.果実に含まれるアントシアニン類の量は、300~698 mg/100 gであり(1)、熟成過程で増加する(5-7)。
ビルベリーには、単糖類(グルコース、ガラクトース、アラビノース)に結合した主要な5種のアントシアニン・アグリコン類(デルフィニジン-、ペツニジン-、シアニジン、ペオニジン-、マルビジン-)が、バランスよく混合されて含まれている(表1)。
| R | R |
R |
R3 |
|
|
|
OH | OH |
H | アラビノーズまたはグルコースまたはガラクトース |
|
デルフィニジン3-O-グリコシド |
O |
OH |
OH | アラビノーズまたはグルコースまたはガラクトース |
|
マルビジン3-O-グリコシド |
OCH3 | OH |
OCH3 | アラビノーズまたはグルコースまたはガラクトース |
| ペオニジン3-O-グリコシド | OCH3 | OH | H |
アラビノーズまたはグルコースまたはガラクトース |
| ペチュニジン3-O-グリコシド | OH | OH | OCH3 | アラビノーズまたはグルコースまたはガラクトース |
表1:ビルベリー(V. myrtillus L.)に含まれる主要なアントシアニン類
ビルベリー果実のHPLCプロファイルには、15種の主要な果実成分を特徴とする典型的なクロマトグラムが示されている(図1):

図1:ビルベリー(V. myrtillus L.)果実のフィンガープリントクロマトグラム
このプロファイルは独特であり、アントシアニン・アグリコン類(表2)および/あるいは糖成分の種類が異なる小高木ブルーベリー、低木ブルーベリー、クランベリーなど、その他の果実のいずれとも顕著に異なる(8-9)。
|
果実 |
ペツニジン |
ペオニジン |
シアニジン |
デルフィニジン |
マルビジン |
|
ビルベリー(Vaccinium myrtillus L.) |
X |
X |
X |
X |
X |
|
カシス |
X |
X |
X |
||
|
クランベリー |
X |
X |
|||
|
ブラックベリー |
X |
||||
|
リンゴンベリー |
X |
X |
表2:アグリコン種別アントシアニン濃度
1例として、インデナ社のHPLC手法を用いたカシスのHPLCクロマトグラムが以下に報告されている。明確に示された通り、カシスに含まれる主要なアントシアニン類はルチノースであり、ビルベリー・アントシアニンには全く含まれていない。事実、カシスのHPLCクロマトグラムにおける2つの主要なピークは、ビルベリーのプロファイルには全く認められない。

図2:カシス(Ribes nigrum L.)生果実のクロマトグラム
ビルベリーの生果実およびミルトセレクト®に低量(<1%)含まれるアントシアニジン類は、糖成分を含まないものであり、誤った抽出製造および/あるいは貯蔵により生じるアントシアニン分解産物とみなされるべきである。また、アントシアニジン類は自然界では希少であり、アントシアニン類代謝物は、生物学的に利用可能なアントシアニジン類をごく微量しか産生しない。
1.
Mazza G., Miniati E., “Anthocyanins in Fruits, Vegetables and Grains”,
CRC Press (1993).
2. Andersen O.M.
and M. Jordheim M., The anthocyanins. In: Anderson O.M., Markham K.R.:
"Flavonoids, Chemistry, biochemistry and applications", CRC Press,
Boca Raton, FL (2006), pp. 471–530.
3.
Kumi Yoshida, Mihoko Mori and Tadao Kondo., "Blue flower color
development by anthocyanins: from chemical structure to cell
physiology", Nat. Prod. Rep., 2009, 26, 884-915, Review
4. Prior R.L.,
Cao G., Martin A., Sofic E., McEwen J., O’Brien C., Lischner N.,
Elhenfeldt M, Kalt W., Krewer G., Mainland C.M., "Antioxidant Capacity
As Influenced by Total Phenolic and Anthocyanin Content, Maturity, and
Variety of Vaccinium Species", J. Agric. Food Chem. 46, 2686 (1998).
5. Brenneisen R., Steinegger E., "Zur Analytik der Polyphenole der. Früchte
von Vaccinium myrtillus L. (Ericaceae)", Pharm. Acta Helv. 56, 180
(1981).
6. Brenneisen R., Steinegger E., "Quantitativer vergleich del
Polyphenole in Fruechten von Vaccinium myrtillus L. undersciedlichen
Reifegrades", Pharm. Acta Helv. 56, 341 (1981).
7. L.
Jaakola, K. Määttä, A.M. Pirttilä, R. Törrönen, S. Kärenlampi and A.
Hohtola, "Expression of genes involved in anthocyanin biosynthesis in
relation to anthocyanin, proanthocyanidin, and flavonol levels during
bilberry fruit development", Plant Physiology 130 (2) (2002), pp.
729–739.
8. Kaisu R., Määttä-Riihinen
KR, Kamal-Eldin A, Mattila PH, González-Paramás AM, Törrönen
AR.,"Distribution and Contents of Phenolic Compounds in Eighteen
Scandinavian Berry Species", J. Agric. Food Chem. 2004, 52, 4477-4486
9. Internal Report: 01/08/LRA-00


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